境の作成方法

横浜から相模原まで車を走らせる途中の道に、神奈川と東京を短時間に数回跨ぐ場所がある。この県境が作られた歴史はどのようなものか、他の県・市・村にも同じような場所が無数にあり各々に歴史があるのか。例えばその土地特有の川や山といった地理的要因に依拠して作られたのか、過去の血縁的な繋がりで作られたのか、県・市・村にとって重要な歴史がそこにあって作られたのか、ただ自陣を広げるための交渉の末に作られたのか、色々あると思う。国境も同じで、現在進行中のロシアのウクライナに対する侵略戦争は暴力的な実力行使で国境を変更しようとしている。戦争というヴァンダリズム(破壊行為主義)は生産性の無い途方もない退廃的な行為で、特に文化的生産物(建築物や芸術作品、人々の暮らしなどあらゆる人間が築くものを指す)は0から1、さらに+0.1、+0.01...と築き上げていく必要があり、対数関数のグラフのように上げ幅は小さく+0.1や+0.01になろうともその小さな上げに価値がある高尚な次元の世界で、非常に時間がかかるが、それが例え10,000に到達していようと、0にすることはいとも簡単らしい。その意味をプーチン大統領は理解した上での正義なのだろうか、人類的視点では誤っている。とにかく境は大小、目に見える見えない関係なく、人の心に影響を与えるものなのだから慎重に関わりたい。

 

因みに...ヴァンダリズム(破壊行為主義)はフランス革命に続く恐怖政治の時代に多数の宗教芸術や建築物が破壊された際に、ローマ時代のヴァンダル族(~A.D. 534)の野蛮な行為になぞらえて、芸術や建築の保護を訴える際に用いられた言葉。